本日をもって奈良醸造は、2021年の仕事納めをいたしました。
年末を迎えるのも三度目となりましたが、醸造所の大掃除をしていると、何とか無事に年を越せることが感慨深いです。
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新型コロナウイルス感染症の流行が奈良醸造のビール造りに与えた影響は大きく、それは一言で言えば、「ビールと向き合う時間が増えた」ということに尽きると思います。
外出する機会がなくなった分、やりたかったビールのことについて考える時間がたくさん取れたこと、それが2021年中にリリースした22種類のビールに結実したと言っても過言ではありません。
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2021年はたくさんの方とコラボレーションする機会にも恵まれました。
奈良醸造が敬意を抱くビール醸造所、そしてブルワー(醸造技術者)とのコラボは、たくさんの刺激があり、ビール造りの幅を拡げてくれるきっかけをいただきました。
ビール醸造所の枠を飛び越えたコラボが実現したことも大きな刺激となりました。
日本酒の酒蔵とのコラボにはじまり、奈良を拠点に活動するロックバンドや、コーヒーのロースタリーなど、ジャンルは違えど、彼らのものづくりに向き合う真摯な姿勢にはこちらが襟を正したくなるような気付きがあり、これまで自分たちだけでは造ることができなかったタイプのビールを造ることができたのは、コラボによるところが大きいと、振り返ったときに思います。
2021年最も大きな取り組みは、缶ビールの販売が実現したことです。
僕たちにとって缶ビールは何としてもやりたかったプロジェクトのひとつでしたが、それは遠い将来になると思っていました。しかし、新型コロナウイルス感染症がお酒を取り巻く業界に与えた影響は大きく、思い切ってプロジェクトを前倒しスタートすることにしました。
しかし、缶ビール製造は試行錯誤の連続でした。ビールを缶詰めしてはデータを取り、どうすればより良い品質の缶ビールが製造できるのかとPDCAサイクルを回し続けた1年。
また、缶ならではのユニークな試みができないか、というアイデアは当初からあって、それは窒素ガス充填のナイトロビールという形で実現しました。喉越し爽快なビールとはまた違った、多様なビールの楽しみ方が提案できたこと、それは奈良醸造がビール造りにあたって大事にしている、『ビールを選ぶ楽しみを』のメッセージに繋がります。
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2021年は、去年にも増して不確実性の高い一年でしたが、そんな中でもビールを通じて皆さんと繋がれたことを思うと、改めて感謝の念でいっぱいです。
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今年もありがとうございました。
皆さん、よい年をお迎えください。