これまで2度にわたって「NOTHING SPECIAL」(ナッシングスペシャル)というテーマでコラボレーションをしてきた松本ブルワリー。この度、3度目のコラボレーションが決定しました。
初めてのコラボから根底にあったのは、古くからその土地に根ざしたビアスタイルに対するリスペクト、そしてコラボだからといって、敢えて特別なことをしない、ということでした。
「何の変哲もないありふれたビール」も、そのビアスタイルが生まれたときは新しかったわけで、それが年月の流れの中でも淘汰されずに残り続けているということには深い意味があります。コラボだからといって、敢えて特別なことをしない。そんなテーマで、これまで互いの醸造所が普段作っている「ふつうの」ビールのレシピをそれぞれにシェアしながらコラボレーションしてきました。
ここで、過去2度のコラボレーションを改めて振り返ってみたいと思います。

松本ブルワリーと初のコラボとなった2022年に奈良醸造からリリースした「NOTHING SPECIAL」は、松本ブルワリーの定番ビールで、私たちもいつか造りたいと思っていたイギリス発祥のビアスタイル、ビター。松本ブルワリーのヘッドブルワー勝山さんのアドバイスのもと、原材料は麦芽からホップ、酵母に至るまですべて英国産で醸造しました。
出来上がったビールは、英国のパブで出てくるような日常に溶け込んだ何気ないけれども向き合ってみるとしみじみと美味しい一杯となりました。ちなみにこのビールは今年、奈良醸造で「AS IS」という名前で再度醸造を行い、販売しています(この名前は勝山さんに命名いただきました)。
そして同時期に松本ブルワリーからリリースされた「NOTHING SPECIAL」は、ベルギーを代表するビアスタイルのひとつ、セゾン。こちらもできるだけ伝統的なスタイルに忠実なレシピで醸造を行い、シンプルながらも飲み進めていると松本ブルワリーらしさが感じられる仕上がりとなりました。

2023年、コラボレーション第2弾の「NOTHING SPECIAL」は、奈良醸造はスコットランド発祥の「スコッチエール」にチャレンジ。松本ブルワリーでは定番商品の一つであるこのスタイルは、麦芽の風味が前面に感じられるのが特徴。ダークキャラメルの香る深くリッチな味わいで、ゆっくりと飲んでも楽しめるビールに仕上がりました。

一方の松本ブルワリーでは、奈良醸造の定番ビール「FUNCTION」のスタイルでもあるアメリカンベルゴスタイルエールを醸造。セゾン酵母由来の爽やかでほのかにスパイシーな香りと、ホップ由来の白ブドウのような華やかさ、トロピカルフルーツや柑橘などのフルーティーさが組み合わさった一杯となりました

そして、2025年はこれまでとはまた違った新たなコラボレーションに挑戦します。それは、それぞれの醸造所で同じスタイルのビールを造ること。
今回の「同じ」とは、レシピが同じものであることは当然ながら、モルトやホップについてはロットまで揃え、仕込み水の水質はできる限り同じものとなるように調整。原材料を同じものにするだけでなく、製造にあたっては仕込みから発酵に至る温度管理まで、できる限り同じ条件でビールを仕上げました。
その味わいやビアスタイルの詳細は、正式なリリースの際に、詳しくお伝えします。

何の変哲もない、日常こそが特別。そんな想いをこめたふたつのビールが、まもなくリリースされます。
どうぞお楽しみに!
