ALE & BOOKS & CIDER ー ビールと本のペアリング
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今回は、奈良醸造で出荷等のバックオフィスやイベント運営を担当する金子ゆかの選書をご紹介します。
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『NEUTRAL COLORS』
出版:NEUTRAL COLORS
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私はなんでもカタチから入りたいタイプの性格で『ALE & BOOKS & CIDER』の時期になると、途端に本屋に入ってみたりする。
しかし、正直に話すと私には本を読む習慣がない。それでも家には”積読”が増えてゆく。なぜかというと、印刷やデザイン、装丁を肴にビールが空いてゆくからで…。増えてゆく”積読”を眺めながら十分”本”への楽しさを見出しているのです。(もちろん、じっくりゆっくり文章と向き合う日もある。)
紙の手触りにワクワクしたり、特色インクを用いた色使いや表現方法に感動したりする。思わず飾っておきたくなる装丁はなんとビールがすすむことか!私はよくライブハウスへ行くのですが、度々結構酔っ払う。酔っ払った方がスピーカーから飛んでくる音がよりダイレクトに肌をつたう感じがするし、楽しい。それと一緒で、なんとなく五感がすこしするどくなって、紙の違いや、色彩の豊かさ、なんならサラッと文字を追っているだけなのに誤字なんかにも気づいちゃったりする。それもまた楽しい。
そういうわけで今回、『KABEL』片手に本棚から選んだ一冊は年に一度発行されている雑誌『NEUTRAL COLORS』。第一印象としてリソグラフ印刷、この厚み、そして小口のカラフル模様が魅力的です。2023年発行である4号のテーマは「仕事」。この雑誌の編集者・加藤氏がヨーロッパへ雑誌を売りに行った話を冒頭に、職人や専門家にフォーカスしながら展開されています。どうやってこの一冊ができているのか、リアルにイメージさせられると同時にさまざまな角度からひとの仕事…ひいては人生に触れるような。
構成を決め、取材をし、原稿を仕上げ、編集、校正、印刷、製本、流通…ときには美濃和紙の工房へ弟子入り(?!)するなど、一言では表せない思考の数々、ひとりひとりの”仕事”を経ている。それらをずっとループさせながらできあがっていくんですよね。ああ、モノづくりってそうですよね。わたしの飲んでいるこのビールも、そう。なんて考えながら、読んで、飲んで、めくって、飲んでを繰り返し。
酔いに任せて文字を追うことが難しくなってきたならば感覚で楽しむ、も良い。積極的に”体感”していく!こんな読書の仕方もあってもいいでしょうか。それが私にとってビールとともに読書をすることの醍醐味だと思っています。
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Selected by 金子ゆか(Yuka Kaneko)|奈良醸造
「奈良で暮らすこと」がとくに楽しくて15年目。もちろんビールも好き、睡眠が趣味、たまに歌ったりもします。
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ALE & BOOKS 「ビールと読書」とは:
ビールを飲みながらどんな本を読みたいか、いわばビールとフードのペアリングならぬ、ビールと本のペアリングをお伝えできたら面白いのではないか、という提案です。奈良醸造がビールと一緒に読みたい本を紹介したり、どんな本を好きなのか、気になる方々のオススメなどを紹介していきます。
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