ALE & BOOKS & CIDER ー ビールと本のペアリング
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読書に合うビールを提案する「ALE&BOOKS&CIDER」企画。奈良醸造の新作「BIFUR(ビフュール)」を飲みながら読みたい本を様々な方にを選書いただきました。今回は、奈良醸造のクリエイティブを担うデザイナーの久保さんの選書です。ぜひみなさんも、「#のみものとよみもの」のハッシュタグで、ビールに合う本を教えてください!
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『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』
著者:小原 晩
出版:自費出版
※11/14より、実業之日本社から増補版が出版されるそうです!
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奈良醸造では、ロゴから始まり、グラスや、いつものビールについているデザインなどをしているbutterの久保元気です。
はや4回めのALE&BOOKS、今年はビールに加えてサイダーの醸造所も加わり、ALE&BOOKS&CIDERへとさらに楽しみ方が広がりました。今年の一冊は、ビールを飲みながら読むのによい一冊というより読み終わったあとに、無性にビールを飲みたくなった一冊をオススメしたいなと思います。
小原晩さんの『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』は、作者の青春時代を軽やかな文体で書いたエッセイです。
仕事、恋、家族、友人などなど、若き作者の個人的な体験、喜びや悲しみや打ちひしがれる感情をぎゅっとつめこんだような一冊なで、自分は小原さんではないのに、まるで自身の若い頃の話を、思い出して誰かと喫茶店で語らっているような錯覚に。
若いあのとき感じた無力さや辛さも、ささやかのようでも得難いようでもあった幸せも、グルングルンと頭を駆け巡ります。
すべてのひとにとって、人生は一度きり。けれども僕は本を読むと、その一冊からもう一つ人生を生きるような気持ちを得ることができると思っています。
僕は、いまも現在たどりいてる自分に不安を感じたり、よろけそうになることが幾つの歳になってもあります。そんな漠然とした怖さを、顔も知らない誰かの思い出が、まるで自分の思い出のように励ましてくれ、ささえてくれるのです。
読書は、スポーツやゲームのように誰かと一緒にするこは、できません。読むことは、孤独で、そんなひどく個人的な体験なのに、読書は、生きているのは一人でなく、取り巻く世界は個人的なものでないと、何度も何度も気づかせてくれます。
朝から晩までクタクタになるまで働いてなにかに立ち向かい、好きか嫌いかもまだわからない面白そうな本を読み耽り、口を潤す好きなお酒の美味しさったらよ!
私の持っている一冊は私家版ですが、2024年11月14日に実業之日本社より手に入れやすい、待望の商業出版がされるそうです。
ぜひ、軽妙で少しシニカルな語り口を楽しみ、ビールやサイダーを幸せな気持ちでお飲みくださいませ。
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Selected by 久保 元気(Genki Kubo)|butter デザイナー
butterは、ぐるぐる回っているうちに、何だか溶け合って、最後はお腹がいっぱいになる、そんな体験を作るお手伝いをするデザインプロジェクトです。食べるものや飲むもの、植物などを中心に、単一的でなく、ブランディングから、パッケージ、グラフィックデザイン、スチール撮影などをトータルで提案し、沢山の人を巻き込みたいなと考えています。
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