この時期になると「そろそろあのビールが出る頃ですね」とお客さんに言っていただけることも増えました。日本酒・風の森とコラボレーションした「UNDERWATER」、今年ももうすぐ皆さんにお届けすることが出来そうです。
このコラボレーションも2026年で6年目。そもそもこのお酒ってどういう経緯で生まれたのか。このお酒のスタートについて、初めてのリリースのときのことを振り返りつつ紹介したいと思います。
奈良醸造では、コラボレーションという形で、これまで自分たちがビールに使ったことのない素材を生産者の方から提供いただいたり、ブルワー(醸造家)同士が知恵を出し合ってひとつのビールを作り上げたりと、自分たちだけでは造り得ないスタイルのビールを醸造してきました。
この「UNDERWATER」もそんなコラボによって実現したもの。
奈良を代表する酒蔵のひとつ、奈良県御所市にある油長酒造。日本酒発祥の地と言われる奈良で、1719年創業と気の遠くなるような昔からお酒造りを行ってこられた、いわば大先輩となぜコラボをするに至ったのか。
それには、奈良醸造で毎年リリースをしている大和橘を使ったビール「PHILHARMONY」が関係しています。このビール、もともとは油長酒造が構えるクラフトジンの蒸溜所、大和蒸溜所で使われている大和橘を分けていただくことで実現したものです。
大和蒸溜所に伺った際、「ちょうど今、風の森の仕込みをやっているので、見ていかれませんか?」と声をかけていただき、蔵を見学させてもらいました。そのとき、フラスコでこれから仕込みに使うために培養されている風の森の清酒酵母を見ながらの一言。
「この酵母を使ってビール造りしてみませんか?」
すべてはこの一言がはじまりです。
とはいえ、同じお酒とはいうものの、原材料から、仕込みの技術に至るまで全く違うアプローチ。すべての材料について、ビール造りと日本酒造りのそれぞれの視点から幾度ものディスカッションを重ね、ようやく実現に至りました。
ディスカッションを重ねる中でわかったことは、お酒を造るというゴールは同じでも、その過程にはそれぞれのお酒が生まれた文化的・風土的背景の違いがあること。そして、過程は違っても、どちらも理論でお酒造りに向き合っているということ。双方のロジックを突き詰めていくと、チャレンジの余地がどこにあるのかが浮き彫りになります。その余地こそが、未踏の地であり、チャレンジしがいのある領域。この領域をコラボレーションで実現しようとしました。
リリースまで、あと少し。味わいの詳細は、また次の投稿でお知らせします。














