ネパールの山椒であるティムルを使ったビール、その名も「TIMMUR(ティムル)」。そろそろ、お店で見かける機会が増えてきたのではないでしょうか。
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ネパール料理のモダンレストラン OLD NEPAL TOKYOとコラボレーションしたこのビール。シェフの本田さんはネパールに足繁く通い、スパイスのレシピ本を出版したり、本場のスパイスの国内販売をされたりしています。
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今回、目指すビールの味わいに近づけるため、本田さんと幾度も対話を重ねてきました。特にこだわったのは、ティムルの使用方法。
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その工夫のひとつは、投入前のティムルを乾煎りしたこと。本田さんから、「より香りを立たせるために火を入れてはどうか」という提案をいただき、実際に投入前のティムルを鉄鍋で焙煎しました。部屋に立ち込めるティムルの香りは火が通る前と後で雲泥の差。ほんの少し熱を入れることで挽きたての青みのある香りが蘇ってきます。一部には更にしっかりと火を通すことで、より深く甘い香りが立ちました。火を入れることで変わっていく香りの豊かさに、我々はただただ驚くばかりでした。
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また、ティムルの投入は、香りと辛味を最大限に引き出すため2回に分けて行いました。1回目は香りづけに麦汁を煮込むタイミングで、2回目は痺れに似た辛味を抽出するために発酵中に室温の環境で投入しています。投入したティムルの形状はホール(そのままの形)とパウダー状の2種類。パウダースパイスはアロマを引き出すために、ホールスパイスはフレーバーを引き出すために投入しています。目的に応じて形状を変えることで、ティムルの持つ香りや辛味が多面的に出るようにしました。
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こうして、ティムルの香りを存分に楽しめるアンバーラガー「TIMMUR」が出来上がりました。
グラスに注がれた液体は琥珀色。鼻を寄せれば柑橘を思わせる豊かなティムルの香り。口に含むと、キャラメル感の強い味わいのモルトの風味としっかりとしたホップの苦みが感じられ、飲み込んだあとには、ホップの苦みの余韻の後にかすかな痺れを感じられることでしょう。
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このビールとのペアリングには、もちろんネパール料理は外せません。9/24(火)には、東京・千歳船橋にあるキャリカーズトーキョーウェストにてペアリングイベントが実施されます。よろしければぜひこちらも遊びに行ってみてください。行けないという方もぜひ本田さんのレシピ本で、ご自宅でもスパイスとのペアリングを楽しんでみるのはいかがでしょうか?
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