2025年も、この季節がやってきました。
「夏も近づく八十八夜〜」という茶摘みの歌がありますが、その時期は立春から数えて八十八日目にあたる5月頭、春から夏に変わるころを指します。その時期に初めて摘まれた茶葉からできるお茶は、「新茶」や「一番茶」とも呼ばれ、とても貴重なものだと言われています。

そんなフレッシュな新茶を贅沢に使って、奈良醸造が毎年醸造しているのが、「EIGHTY EIGHT(エイティエイト)」。さわやかなお茶の香がほのかに感じられるグリーンティセゾンです。
もしかしたら、奈良にお茶のイメージがない人もいるかもしれませんが、奈良の月ヶ瀬村は、全国有数のお茶処。平安時代に弘法大師が唐よりお茶の種子を持ち帰り、奈良の地に植えたのがその始まりとか。
奈良醸造では、奈良・月ヶ瀬村のティーファーム井ノ倉より摘みたての碾茶(てんちゃ)を頂いています。ティーファーム井ノ倉は、なんと260年以上続く茶農家さん。日本のみならず、世界の名だたるレストランやホテルでお茶を提供されています。

先日、そんな貴重な新茶を頂いた井ノ倉さんのもとへ、詰めたてのEIGHTY EIGHTを持って伺いました。今回は、その様子をお届けします。

——2025年のEIGHTY EIGHTを飲んでみて、いかがでしたか?
井ノ倉さん「香りが良いですね。とても丁寧に造られているのが伝わってきます。去年と感じがやっぱり違いますね」
醸造長・浪岡「国産麦芽に切り替えたからかもしれません」
井ノ倉さん「スッキリと美味しいです。これだけでいける感じですね」
——2024年のEIGHTY EIGHTと比べていかがですか?
井ノ倉さん「去年の方が清涼感、さわやかさがあったのかな?今年はコク、まろみ、うまみの部分が多い感じがします。清涼感を出す目的でお茶を入れたりすることもあるけど、お茶のうまみやまろみの部分を前面に出して使っているのは他にあんまりないよね。5.5%という度数の割には、濃く感じます。バーなんかでゆっくり飲むには良いと思います」
——茶葉の使い方についてはいかがでしょうか?
井ノ倉さん「良い感じに葉っぱを100%抽出してくれた感じやね。1年目は少しもったいない使い方だったんじゃないかな?」
浪岡「漬け込む時間も長くしています。渋みも出ないように調整しました」
井ノ倉さん「碾茶は市場になかなか出ないものなので、なかなか他で真似できない仕上がりになったんじゃないかな」
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260年という長い歴史を持つ茶農家の井ノ倉さん。毎年、出来上がったビールを持っていくのは緊張の瞬間なのですが、「お茶のうまみやまろみの部分を前面に出して使っている」という言葉を頂き、今年もほっと胸を撫でおろしました。国産麦芽への切り替えにより、碾茶の持つ深い味わいがより際立つ仕上がりになったようです。試飲の最後には、今後のビール醸造に向け、茶農家さんならではのお茶の使い方のアドバイスもいただきました。

EIGHTY EIGHTは、現在、全国の酒販店・飲食店、奈良醸造のオンラインストアで販売中です。この季節ならではの特別な味わいをぜひお楽しみください。
ティーファーム井ノ倉の公式オンラインサイトでは、同じ碾茶を使ったお茶もお求めいただけます。ぜひビールとあわせてお楽しみください。