日本酒の風の森(@kazenomori171)に使われる酵母・仕込み水を用いて醸造した、吟醸香が豊かに香る「UNDERWATER」をリリースします。
2026年の「UNDERWATER」は、これまでよりも低温で発酵期間を長く取ることで、穏やかながら吟醸香の余韻が続く仕上がりにしました。出来上がったお酒はやや辛口でドライながら、アルコール由来の甘みが感じられ、グラスに注ぐとイチゴやリンゴを思わせるフルーティな吟醸香がくっきりと楽しめます。

この「UNDERWATER」、仕込水・酵母・副原料に工夫を凝らすことで、ビールだけでは生み出せない特別な味わいとなっています。
ビールの主な原材料は麦芽・ホップ・水・酵母です。一方、日本酒、なかでも純米酒の原材料は、米・米麹・水・酵母となります。共通するものは、水と酵母。当たり前のようでよく見落とされることですが、どちらも構成要素の大部分は水から成り立っています。
お酒の基調となる水からアプローチをしてこそコラボレーションではないか。そんな発想から「UNDERWATER」では、油長酒造の仕込み水を汲み上げてタンクに入れ、トラックで奈良醸造まで運び込んで仕込みに使う、という大胆なことを毎回行っています。
この仕込水の特徴は硬度200以上の超硬水であること。豊富に含まれるマグネシウムは酵母の発酵力を活性化させることから、油長酒造では酵母の持つ能力をフルに引き出した日本酒造りをされています。「UNDERWATER」ではこの水の力もお酒の特徴を形作る大事な土台となっています。
そして、この仕込み水と呼応するのが、油長酒造で『風の森』に使われている清酒酵母『7号系酵母』です。『酵母』とひとくくりに言っても、多種多様。ビール酵母は高分子の糖を発酵する力が強かったり、清酒酵母はアルコール度数に耐える力が強かったり、ワイン酵母は他の野生酵母が繁殖しないように制菌活性を持っていたり、とそれぞれが持つ特徴が違うため、お酒によって使い分けられてきました。「UNDERWATER」に使用した『7号系酵母』の特徴は強力な発酵力。発酵の過程で豊富な有機酸を生み出すこの酵母は、長期低温発酵条件下で様々な香気成分を持つ複合香を形成し、これが『風の森』の果実感あふれる酸味と香りの個性に繋がっています。
これをビールに使うことで、独特の吟醸香が生まれます。

一方で、ホップを使わないこともこのお酒の大きな特徴のひとつ。
ホップはビールに特有の苦味と香りを付与し、ビールをビールたらしめる役割を持っています。今回、酵母が醸し出す香りを前面に押し出すために、あえてホップを使わないという引き算をすることにしました。ホップにはもともと防腐作用があることから、ホップを使わないということは、雑菌混入と汚染のリスクが高くなります。このため、いつも以上に衛生管理に注意を払い、神経を尖らせながら醸造を行うことになりました。
加えて「風の森」に使われている「麹」と「そやし水」を使用しています。そやし水は歴史が古く、室町時代中期に寺院で見出された日本酒造りの技法でも使用されていました。
現代のように微生物を顕微鏡で見ることができない(そもそも微生物という概念もなかった時代)、お酒造りは腐敗との戦いでした。たいていの雑菌は酸性では活動できないことを、昔の人は経験則から知っていたのでしょう。乳酸発酵によって出来上がる酸性水であるそやし水を用いることで、雑菌の影響を抑え清酒酵母が活動しやすい環境をつくることができたのです。現在 油長酒造では、この古くから伝わる技法と現代の醸造技術を融合させた酒造りをされています。「UNDERWATER」では、そやし水のヨーグルトのような乳酸のニュアンスによって、酒質に奥行きを加えました。
情報量が多いですよね。笑
ひとことで言うと、今年も「UNDERWATER」できました!です。
そして…今年はこのお酒にさらにひねりを加えられないかという挑戦を行っています。そちらは現在熟成中。もう少し、あと1か月ほど時間がかかりそうですが、確実に言えるのは2026年の「UNDERWATER」は一種類だけではないということ。ぜひ続報をお待ちください!











