奈良醸造が2025年最初にリリースしたビールは「LOVE & TIGER」。クラフトビールとは異業種であるソックスブランドHOiSUMとのコラボレーションビールです。「LOVE & TIGER」をテーマに描き下ろされた愛とユーモアに溢れるポップなデザインを活かし、HOiSUMはオリジナルのソックスを、奈良醸造はオリジナルのビールを作るというクロスコラボを行いました。このコラボも3年目を迎えたところで、改めて「なぜソックスブランドとコラボをしているのか?」についてお話したいと思います。

奈良醸造のビールとHOiSUMのソックス。一見すると接点のないこの二つのブランドの出会いには、奈良という土地が深く関わっています。奈良県は知る人ぞ知る日本一の靴下生産地。全国の約7割もの靴下がここで作られており、HOiSUMも奈良醸造もこの地でものづくりを続けてきました。地場産業を守り育てていきたいという想い、ものづくりへの情熱。そんなお互いの哲学に共感し合えたことから、この異色のコラボレーションは始まりました。そしてその背景には、「まだ県外に知られていない奈良の魅力や産業に光をあてたい」という創業時からの変わらない想いがあります。

奈良醸造では、奈良の隠れた魅力に光をあてるチャレンジに他にも積極的に取り組んでいます。例えば、大和橘を使ったビール「PHILHARMONY」もそのひとつ。「日本書紀」や「古事記」にも記載がある日本固有種の柑橘「大和橘」。近年は準絶滅危惧種に指定されるほど数が減っていましたが、奈良では「なら橘プロジェクト推進協議会」が大和橘の樹の植樹、育成、収穫、活用などを通じて大和橘を守り広めるために活動されています。私たちはこの貴重な大和橘の存在と味わいをより広くの方に知っていただければとの思いを「PHILHARMONY」というビールに込めて造っています。

また、「PHILHARMONY」には奈良の新しい特産品として注目されるレモングラスも使用しています。奈良県吉野郡下市町平原(へいばら)区で、地域活性のために地域の手によるレモングラス栽培が始まって11年目。平原区は江戸時代から薬草の栽培が盛んだったため、ハーブの試験栽培を重ね、レモングラスに辿り着きました。耕作放棄地を活用し、農薬や化学肥料を使わない有機栽培で育ったレモングラスを一株まるごと(!)頂き、生ハーブとして使用しています。これからもこうした活動を通じて、奈良の多様な魅力を一杯のビールに込めることで、人と文化を繋いでいく取り組みにチャレンジを続けていきます。

最後に話を戻しますが、「LOVE & TIGER」というテーマについて。HOiSUMのブランドテーマである「LOVE」と人気ソックスシリーズ「TIGER」から名付けられました。この名前には「All’s fair in Love & Tiger (ラブとタイガーのためだったら、何したって構わない!)」という遊び心も込められています。これは「恋と戦争は手段を選ばない」という古いことわざ「All’s fair in love and war」をもじったもの。性別や年齢、立場を超えて誰もが楽しめるビールとソックスに仕上がっていますので、ぜひ楽しんでみてください!何気ない瞬間に、特別な彩りをそえられましたら幸いです。

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