MACGUFFINとは、何か?
それは、物語をすすめるキーアイテムやキーパーソンのこと。それは泥棒が狙う宝石のことだったり、スパイが守る機密書類だったり、不思議な力を持つ謎の黒幕だったり…、そんな、何か分からないけれど重要な、物語の核となるものを指します。これは、サスペンスの名手である映画監督のアルフレッド・ヒッチコックによって普及し、いまも小説や映画の技法として使われています。
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ちなみに、ヒッチコック監督は、このMACGUFFINと呼ばれる「対象」自体は何でも良い、とも述べています。その対象を追い求めるという過程が、実は物語において重要なんだとか。奈良醸造が探し求めるMACGUFFINも、正解はひとつではありません。
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つまるところ中身の正解は誰にもわからない。でも重要な、物語を先に進めるもの。そんな奈良醸造を先に進めてくれるビールになることを願って、毎年MACGUFFINをリリースしているのです。
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2022年にはパイナップルとココナッツを使ったスパイス香るフルーツエールを、2023年はイングリッシュブラウンエールをベースに脱脂粉乳、バニラ、アニス、カカオを使用したエールを醸造。いずれも麦芽、ホップ、酵母の組み合わせだけでは表現ができない味わいに仕上がりました。
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そして、2024年のMACGUFFINは、りんごとシナモンを使った、Smoked Graff というお酒に。
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Graffは、前回の投稿でもお話したように、小説に出てきた架空のお酒がもとになっています。現在様々な味わいのGraffが発売されていますが、どこからがGraffでどこからがGraffじゃないかもはっきりしない曖昧なもの。分かっているのは『りんごと麦芽を掛け合わせた甘酸っぱいビール』ということだけ。そんな Graff の味わいを、世界中の醸造家が探求しているところです。
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今回のMACGUFFINは、この Graff をベースに、シナモンを使用した、アップルパイを思わせる仕上がり。かすかに、燻製麦芽によるスモーキーさが加わります。
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また、缶と樽でも味わいが違うことも特徴のひとつ。缶は窒素を充填したクリーミーな泡のナイトロ缶仕様。一方、樽は炭酸ガスで仕上げており、リンゴの爽やかさが全面に出た味わいです。
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3年連続でリリースしてきたMACGUFFIN、これまでに皆さんの好きな味わいはありましたか?みなさんも一緒に、奈良醸造にとってのMACGUFFINを追い求めていただければ、嬉しい限りです。
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奈良醸造オンラインストアはこちら。
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<夏季休業のお知らせ>
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※8月10日~8月18日までは、出荷を停止します。
※8月17日、18日はタップルームをお休みします。