奈良醸造のUNDERWATER、このデザインには、どういった意図が込められているのか、デザイナーのbutter 久保元気さんにコメントをいただきました。
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(久保元気さん)
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3回目のリリースになった油長酒造の代表酒 風の森とのコラボレーションビールUNDERWATER。
風の森で使われている清酒7号酵母と、油長酒造の仕込み水を、遠く離れた奈良醸造までタンクで輸送して(!)、ホップを使わずに醸された特別なビール。
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風の森で使われる、御所の地下水は、硬度180以上といういわゆる超硬水。ただでさえ軟水が多い日本、水道水の硬度の平均値がだいたい50くらいですので、そのユニークさは類をみません。その水のポテンシャルが、このビールの個性を作っている大切な要素だということが、UNDERWATERというネーミングがうまれた理由のひとつ。
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もうひとつは、他ジャンルのお酒、そしてお酒の世界の大先輩から新しい可能性を「ひきあげられた」ビールだということも、この名前の所以です。
水から手が手を引き上げるグラフィックは、それをイメージしています。また、コラボレーションは、相互に影響を与えて、可能性を引き上げることから、このグラフィックは逆さまにすると、関係が逆転し、水から引き上げられていた方の手が、引き上げる側の手になる絵になっています。
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油長酒造の挑戦的な限定酒風の森ALPHAシリーズの中でも、1番新しい番号をつけられたALPHA8は、UNDERWATERのアンサーコラボとも言える日本酒。精麦しないで作られるビールをヒントに、精米せずに玄米から日本酒を作るという超個性的なお酒です(今年のALPHA8に至っては、驚きの玄米100%!そんなの聞いたことない!)。
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そんな経緯もあって、昨年のUNDERWATERのグラフィックは、一昨年の最初に描いたグラフィックを、逆さまにしたグラフィックだったのでした。
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面白いことに、そのいい循環を続き、UNDERWATER もALPHA8も、今回のリリース分は、今までの2回の知見を活かして、よりいま届けたいテイストへとどんどん変化して、美味しくなっていってます。
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さて、今年はふたたび、はじめの年と同じ向きにひっくり返し、変化を感じてもらえるように、配色のイメージをガラッと変えました。なるべく大胆な配色にしよう、できれば同時期にこの2つのお酒がリリースされるから、季節感のあるカラーにしてみようと思い、大好きなツバキの花をイメージした配色に。
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ぜひ、いつもの風の森、ALPHA8、UNDERWATER と3種類飲み比べてみてください。新しいお酒の可能性に触れることができること間違いありません。
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とのこと。
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毎回、どんなデザインが上がってくるのか、奈良醸造スタッフも楽しみにしています。
皆さんも、お手元のラベルやポストカードを眺めて楽しんでいただけたら幸いです。