宮城県気仙沼市にある、Black Tide Brewingとコラボでビールを造りました(11月リリース予定)。
このコラボに至るまでには、気仙沼と奈良という、物理的に距離の隔たった土地のブルワリー間で何度もやり取りがあったのです。
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始まりは2019年、気仙沼でこれからブルワリーを始めるので醸造所を見学させてもらいたい、という1本の連絡。これがヘッドブルワーのJamesさん、マネージャーの丹治さんとの交流の始まりでした。
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当時、奈良醸造は醸造を初めてちょうど一年くらいのころ。
そんな折に、わざわざ遠く気仙沼から奈良まで来られるなんて、と驚きながら、奈良醸造の醸造設備から油圧式ハンドフォークに至るまで全てをお見せし、醸造所のオペレーションについてディスカッションしたことを憶えています。
その翌年、Black Tide Brewingが醸造を始めるや、またたく間に全国にその名前を轟かせたのは、ビールファンの皆さんのよく知るところでしょう。ビールの高いクオリティに加えて、最初から缶ビールを販売したのが新しかったところ。当時、ようやく小規模ブルワリー向けの缶充填機が日本国内でも導入され始めたころでした。
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奈良醸造でも将来的にやりたいと思っていた缶ビール製造を、同様の小規模ブルワリーがすでに実現している。一体それはどうやっているのか。
折しも2020年夏、新型コロナウイルス流行の真っ只中。
何かアクションを起こさないとと、思い切って気仙沼に飛び、缶充填の現場を見学させていただきました。そのことがきっかけで、これまでぼんやりとした『缶ビールを造ること』のイメージが一気に具体的となり、奈良醸造は2021年の設備導入に舵を切りました。同じ設備を導入したこともあり、数々の知見を惜しみなく提供いただいたおかげで、奈良醸造も缶ビール製造を始めることができました。
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物理的な距離があることから、なかなか対面でのやりとりをすることができませんでしたが、その後も技術交流を繰り返すなかで「コラボビールを造ろう!」、お互いから自然に出てきた思いが、今回ようやく実現しました。
こちらは奈良醸造サイドのコラボリリース。もちろん、お互いのブルワリーでコラボビールを作っています。Black Tide Brewingサイドのビールも近日中にお披露目となりますので、どちらもチェックよろしくお願いいたします!