昨年に引き続き、奈良県御所市の酒蔵・油長酒造とのコラボレーションによるUnderwaterが実現しました。
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今回も油長酒造で使われている仕込水を汲みあげて奈良醸造まで運んでいただき、『風の森』に使われる7号系酵母を使用しています。また、昨年同様、ホップは一切使わずに完成させました(技術的なことについては、昨年詳しくまとめた記事(以下のリンク)がありますので、未読の方は是非ご覧ください)。
日本酒は米麹、水、酵母、そして米によって醸されるお酒ですが、使用する酒米は米粒の周りの雑味の原因になる部分を「精米」という工程で削り落としてから仕込みに使われます。
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一方、ビールは同じ穀物からできるお酒ではありますが、精米にあたる概念が存在しません。つまり原材料となる麦芽を全く磨かずに、その素材を最大限に生かした仕上がりになります。米麹、水、酵母、そして麦芽。これらのコンビネーションにより生まれたUnderwaterは、奈良醸造、油長酒造、双方にとって刺激的なものとなりました。
油長酒造では、前回のUnderwaterを受けて、米を全く磨かず、つまり、玄米でお酒を造ったらどうなるのかという発想のもと、原料米の一部に玄米を使用した『風の森 ALPHA 8』を昨秋、発表されました。出来上がったお酒は、風の森特有の透き通った吟醸香を漂わせつつも通常の日本酒よりも力強い穀物感がある仕上がりが非常に興味深く、原料となる麦と米の違いを改めて考えさせられました。
これは、『風の森 ALPHA 8』を受けて、奈良醸造ではどのようなお酒造りができるのか、という新たな課題を受け取ったとも言えます。
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そこで、Underwaterに再チャレンジするにあたって決めた目標は、よりクリアな酒質を求めること。昨年に比べ、使用する麹の量を敢えて減らすことで、麦汁を清酒酵母で醸した味わいがよりくっきりと感じていただけるようになりました。
今回、時を同じくして、『風の森 ALPHA 8』の新バージョンが1月から販売となります。新しいお酒造りにチャレンジしている油長酒造、奈良醸造、それぞれの取り組みを、ぜひご賞味ください。
奈良醸造のUnderwaterは次の通り販売予定です。
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全国の酒販店・料飲店向け業務販売開始:
1月17日(月)
奈良醸造タップルームでの販売開始:
1月22日(土)
奈良醸造オンラインストアでの販売開始:
2月予定