EIGHTY EIGHT。
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今年もこのビールをリリースできることの喜びと、そして、身の引き締まる思いを同時に感じております。
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ここ奈良の地で作られるお茶は大和茶と呼ばれ、その起源は古く、大同元年(西暦806年)に弘法大師が唐より茶の種子を持ち帰ったのが始まりだとか。昼夜の寒暖差が激しい大和高原、その厳しい自然環境で栽培される大和茶は、深みのある味わいが特徴です。
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そんな奈良の茶処・月ヶ瀬(つきがせ)で260年以上続く茶農家を営まれている、ティーファーム井ノ倉さんより、昨年に引き続き、とびきりの茶葉(しかも、今年初物の一番茶)を提供いただけることになり、嬉しさとともに、絶対に失敗できないというプレッシャーが押し寄せました。
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昨年同様、ベースのビアスタイルは、セゾン。
ベルギーに起源を持つこのビール、もともとは夏の農作業中に喉の乾きを癒やすために造られていたと言われています。特徴はドライでドリンカブル。そのうえで、酵母の醸し出す香りに由来するフルーティさもあり、シンプルでいて、複雑さも併せ持つビールです。
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このセゾンに、ティーファーム井ノ倉さんの茶葉、それも碾茶(てんちゃ)を贅沢に漬け込み、茶葉特有の味わいを重ねました。碾茶、聞き慣れない言葉かもしれません。一言で言えば、石臼で抹茶に挽く前の状態の茶葉のこと。独特の香り・旨味が強く、苦味・渋味が少ないことが特徴となっています。
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夏に向けて湿度が上がりだす、これからの季節にまさにピッタリの爽やかなビールに仕上がっています。
夏も近づく八十八夜。
この季節、この地ならではの素材を使ったビールが飲めることも、クラフトビールの楽しみ方のひとつではないでしょうか。
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来週からの販売予定、もう少しお待ちください。