年初にお知らせしていた缶ビールプロジェクト、ようやく準備が整いリリースを待つばかりとなりました。
奈良醸造をはじめるにあたって、いつか自分たちのビールも缶ビールとして出せるようにしたい、という思いを強く持っていましたが、それがどれぐらい先のことになるのか、全く想像もできていませんでした。
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ですが、昨年、新型コロナウィルス感染症の拡大の影響で、製造体制を転換せざるを得なくなりました。転換とは、まさかの缶ビール製造をはじめたことです。
とはいえ、これまでボトルビールのために使っていた充填機を使用しての缶ビール製造は、みなさんが思い描いているような、ベルトコンベアの上を次から次へと缶が流れて出来上がってくるものとは程遠いものでした。缶を1本ずつ機械にセットし、詰めた後にラベルも手貼り。スタッフ総出でいくら頑張っても、1時間で作れる缶ビールはわずか100本ほどです。こうして出来上がった缶ビールはごく少量で、なかなか手に入りにくい状態が続いていました。
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そんな中で膨らんだ思いは、もっとたくさんの方に奈良醸造のビールを届けたいということ。
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いくつかの可能性を検討するなかで、昨夏、気仙沼のBlack Tide Brewingの缶ビール製造現場の見学をお願いしたところ、快く引き受けてくだったうえに、沢山のアドバイスを惜しみなくいただきました。クラフトビール業界は、こういったオープンマインドなところ、大変な時に助け合うところが本当に素晴らしい、と改めて感動した出来事でした(その夜に連れて行っていただいた、地元のお店でいただいた気仙沼の美味しいお酒と料理にも感動しました。海のない奈良の人間には、新鮮な海産物は感動ひとしおなのです)。
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これをきっかけとして、缶詰め機の導入を決心しました。
秋に注文して待つこと数ヶ月。年が明けて、1月に缶詰め機はアメリカから奈良へやってきました。
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まずはトラックから積み荷を下ろすところから一苦労。厳重な梱包を外して工場内に引き入れるだけで、丸一日かかりました。ブルワーは時として、バールとハンマー、ジャッキ作業をすることもあるのです。
それから幾度かの動作テストを経て、2月、いよいよ缶ビール製造へ。
(機械の操作については、Black Tide Brewingの丹治さんに再びアドバイスをいただきました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。)
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さて、一体どんなビールができたのか、そのお知らせは来週に。