ALE & BOOKS 「ビールと読書」
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4冊目は、奈良醸造の広報と営業を担当する松浦の選書です。
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『ムラブリ 文字も暦を持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと』
著者 / 伊藤雄馬
出版社 / 集英社インターナショナル
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朝の日差しを浴びながら缶をプシュッ…!お休みの日は、それくらい背徳感のある始まりでもいいかもしれません。ビールを片手に読み進めるのは、タイの森で暮らす少数民族ムラブリと日本人言語学者の出会いを描いた「ムラブリ」。何もすることがない休日。どうせなら、日常を忘れて、異国に想いを馳せることにします。
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森の人という意味のムラブリ。彼らは文字は持たず、歌うように話す会話のやりとりのみで暮らしているそうです。そんな彼らの話す言語の美しさに惹かれた日本人の言語学者・伊藤雄馬さんが、フィールドワークを通して彼らに教わったことについて綴っているのがこの本。彼らは狩猟をメインに生活をしていて、日が昇ると働き、暗くなったら寝る。暦は持たず、数字は4までしか数えず、自分の年齢も曖昧だそう。そんな生活はちょっと不便そうにも思うものの、普段自分がどれだけ暦や数字に縛られながら生きているのか、ハッとさせられる部分があります。また言語学者ならではの視点から解かれた言語の発見も面白いのですが、話せば長くなるのでぜひ気になる方は読んでみてください。
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ムラブリもお酒を飲むそうで、普段シャイな性格の彼らも、お祭りの日はお酒を飲んで陽気に楽しんでいるよう。やはりお酒は万国共通の愉しみ。好きなときに働き、好きなときに寝て、お酒を飲んで楽しむ生活。いいなぁ…。
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でも、ビールを飲んで本を読んで、だらだらする休日もまた最高だなぁと思います。早くから空いてるカフェでひとり、お酒片手に本を読むの良いかもしれません。ほろ酔い気分で読み進めると、だんだん喧騒が遠くなり、自分と物語の境界線がなくなってきて、いつも以上にその本にのめり込んでいる気がします。
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満足したらそのまま目を閉じて夢の世界へ行くのもまた、休みの日の醍醐味。みなさまも良いALE&BOOKSな休日をお過ごしください。
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Selected by 松浦香美(Conomi Matsuura)|奈良醸造
東京での出版社勤務を経て、今年から奈良醸造で広報と営業を担当。奈良の自然に癒される日々。
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ALE & BOOKS 「ビールと読書」とは:
ビールを飲みながらどんな本を読みたいか、いわばビールとフードのペアリングならぬ、ビールと本のペアリングをお伝えできたら面白いのではないか、という提案です。奈良醸造がビールと一緒に読みたい本を紹介したり、どんな本を好きなのか、気になる方々のオススメなどを紹介していきます。
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このあとも様々な方から選書いただきます。どうぞお楽しみに!
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