柑橘やトロピカルな香りのホップを楽しむジューシーなIPA「LOCOMOTION」。
このビールは、アメリカで生まれたIPAの特徴を掛け合わせ、West Coast IPAに少しだけ東寄りのニュアンスを交えた一杯に仕上げました。
味というものはそれぞれの地域性との結びつきが強くあるもの。よく例えに出てくる話に、関西と関東のうどんのダシの違いの話がありますが、ビールにおいても味わいの地域性があります。
IPA(India Pale Ale)は、このスタイルが産まれたイギリス本国と、このスタイルを換骨奪胎(かんこつだったい)したアメリカとで大きく味わいが違うことから、前者をEnglish IPA、後者をAmerican IPAとして呼び分けられています。
奈良醸造でこれまで造ってきたIPAは、大別するとAmerican IPAに含まれますが、American IPAの中でも造られる地域によってその味わいには特徴や傾向があるようです。
たとえばアメリカの西海岸で産まれ、その地域の醸造所でブラッシュアップが重ねられてきたWest Coast IPAというスタイル。その味わいの特徴は、ホップ由来の柑橘や松のような香り、しっかりとした長い余韻の苦味、そしてスッキリとドライな仕上がりにあります。
一方で、同じIPAながら対局的な味わいにあるのが、Hazy IPA。こちらは東海岸で産まれたスタイル。West coeat IPA特有のホップの苦味を抑え、トロピカルフルーツのような華やかな香りと、柔らかな喉越しを特徴としています。
今回のAmerican IPA「LOCOMOTION」では、西海岸から少し東に向かった場所だとこんなIPAになるんじゃないかという思いを巡らせて、West Coast IPAに少しだけ東寄りのニュアンスを交えたIPAに仕上げました。
見た目はほんのりとした薄濁りではあるものの、ほぼクリアな液体。グラスを鼻に寄せると、グレープフルーツを思わせる柑橘香がありながら、パイナップルを主体とするトロピカルフルーツの香りが華やかに立ち上ってきます。口に含めば、優しい口当たりに、控えめな苦みが淡い余韻を残して消えていきます。
アメリカでもMidwest IPAという呼称が提案されているようですが、西海岸と東海岸のスタイルの折衷的な解釈で出来上がったビール、どちらのビアスタイルが好きな方にも一度試していただきたいと思います!







