奈良醸造と松本ブルワリーとのコラボビール、その名は「NOTHING SPECIAL(ナッシング スペシャル)」。
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一言でいうと、派手さはありません。英国のパブで出てくる、日常に溶け込んだ、何気ないけれども向き合ってみると、しみじみと美味しい仕上がりです。
今回は、松本ブルワリー勝山さんのアドバイスのもと、原材料は麦芽からホップ、酵母に至るまですべて英国産にこだわって、このビールを造りました。
注がれる液体の色はMedium Amber。おだやかで優しいモルトのアロマの奥に、ほのかに干し草を思わせる英国産ホップFuggleの香りが潜んでいます。
このスタイルの本場である英国のパブで提供されているものをイメージして、含まれる炭酸ガスは弱めに仕上げています。口に含めばモルトの甘みと、後を追ってやってくるホップのじんわりとした苦味。一見どっしりとした味わいに感じられるかもしれませんが、意外にもスルスルと飲めるのは、モルトの甘みとホップの苦味がほどよくバランスした上に、アルコール度数がたったの3.5%しかないということもあるでしょう。
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このビールを飲むときのコツは冷やしすぎないこと。英国のパブではセラーと呼ばれる地下室で保管されたビールが提供されていますが、このセラーはヒンヤリとはしているものの、冷蔵庫のようにキンキンにビールを冷やす役割はありません。冷えていないビールなんて、と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、冷やしすぎない温度がこのビールを一番美味しく感じていただけます(英国紳士は、これはビールではなくエールなんだ、というかもしれませんが)。
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ちなみに、缶は窒素ガス充填のナイトロ仕様として製造しました。ナイトロ特有のクリーミーな泡と優しいマウスフィールが、モルトの甘みをさらに引き出してくれることでしょう。
Nothing Special。
何の変哲もないビールには、お互いの醸造所、そしてビターというビアスタイルへのリスペクトが詰まっています。
そして、このコラボにはまだ続きがあります。
少し先になりますが、今度は奈良醸造がが松本にNothing Specialなビールを造りに行くことになっています。これぞコラボの醍醐味!
勝山さん、奈良までお越しくださいまして、ありがとうございました!