BOTH HANDS
ボウス ハンズ(2024)
2024年最後のリリースとなるのは、京都醸造とコラボレーションし、COYOTEのコーヒー豆を使用したゴールデンスタウト「BOTH HANDS」。焙煎麦芽を使用せず、コーヒーやカカオニブといった素材を組み合わせて淡い色のスタウトを造ることに挑戦しました。
今回コラボレーションした京都醸造。2015年に京都で誕生したこのブルワリーが、日本のクラフトビールに与えた影響は大きなものがあります。創業当初からビールの品質が素晴らしいのはもちろんのこと、独特のネーミングセンスに、統一されたデザインとそれに関連するグッズの数々。日本のクラフトビールを語るうえで欠かせない存在と言っても過言ではないでしょう。
奈良醸造もそんな影響を直撃で受けたことは言うまでもありません。奈良醸造のヘッドブルワーの浪岡は京都醸造の初代アシスタントブルワーとして、クラフトビールのキャリアの一歩目を踏み出しました。黎明期の京都醸造での経験は今の奈良醸造に繋がる大事なルーツとなっています。
そんな京都醸造と、初めてのコラボレーションとなる今回。一緒にチャレンジしたのは、ゴールデンスタウトです。
透明なコーラや白いカレーがあるように、クラフトビールの世界でも、黒くないのにスタウトの味わいがするビアスタイルが存在します。以前京都醸造が「白い狂気」というホワイトスタウトを造ったことに刺激を受け、ぜひ奈良醸造でも黒くないスタウトが造れたらと、情報交換をしながらレシピを仕上げました。
もともとスタウトやポーターといった濃色系のビールは強く焙煎した麦芽を使用することで、その味わいや色味が表現されるのですが、今回は焙煎した麦芽の代わりに、コーヒー豆とカカオニブをビールに漬け込むことでスタウトの味わいを再現しています。
さらに今回はブルワリー同士だけでなく、互いのビールに使用したコーヒー豆のロースタリーもコラボレーションによるもの。京都醸造から先月リリースしたスイートスタウト「二都物語」では、私たちがいつもお世話になっている奈良市のロースタリー・ANY COFFEEさんのケニア産のコーヒー豆を使用しています。一方、奈良醸造で使用したコーヒー豆は、京都醸造がおすすめするロースタリー・COYOTEから、エルサルバドル産のコーヒー豆を中煎りで焙煎していただきました。
こうして出来上がった「BOTH HANDS」。グラスに注ぐと琥珀の液色に、コーヒーの香りが立ちます。口に含むと、乳糖の甘さに、オーツ麦と小麦由来のタンパク質の柔らかさが相まって、優しい口当たり。エルサルバドル産のコーヒー豆由来の酸味が味わいを引き締めます。コーヒー豆とカカオニブの風味が甘味づけに使用した乳糖と相まってスイートスタウトを思わせる仕上がりになりました。
缶は窒素を充填したナイトロ缶ビール仕様。よく振ってグラスに注ぐことで、クリーミーな泡を楽しめます。一方で、業務用樽は炭酸ガスを効かせ、スッキリと飲んでいただけます。同じビールでも仕上がりによって変わる表情を、ぜひ機会があれば飲み比べてみてください!
京都醸造側のコラボレーションビールはこちら。
The final release for 2024 is BOTH HANDS, a golden stout brewed in collaboration with Kyoto Brewing and featuring COYOTE coffee beans. This stout eschews roasted malts, instead relying on coffee beans and cacao nibs to create its distinctive flavour.
Established in Kyoto in 2015, Kyoto Brewing is a trailblazer in Japan’s craft beer scene. Our founder and head brewer, Namioka, began his craft beer journey as Kyoto Brewing’s first assistant brewer, an experience that deeply shaped his brewing philosophy.
For this collaboration, we drew inspiration from Kyoto Brewing’s White Madness, a white stout, and worked together to craft a "light-coloured stout." While stouts traditionally use roasted malts for their dark colour and flavour, we recreated the stout profile by infusing coffee beans and cacao nibs.
The collaboration extended to roasteries in both cities: Kyoto Brewing’s sweet stout features Kenyan beans from Nara’s ANY COFFEE, while BOTH HANDS uses medium-roasted beans from El Salvador, recommended by Kyoto Brewing and roasted by Kyoto’s COYOTE.
The result is a golden stout with amber hues and a rich coffee aroma. Its creamy mouthfeel comes from lactose and proteins in the oats and wheat, while the El Salvadoran coffee beans add a balancing acidity. Packaged in nitrogen-filled nitro cans, BOTH HANDS pours with a luxurious creamy head. The keg version is carbonated for a crisp, refreshing finish. Try both formats to experience the versatility of this unique beer!